引き続き渋谷のイメージフォーラムで開催されています、ミケランジェロ・アントニオーニ監督特集に出かけまして、本日は、代表作と云われる『情事』(60) を観賞です。
前回『赤い砂漠』を観た後に、主演のモニカ・ヴィッティの石畳のシーン、あれ、これ前どこかで観たことあるぞ?あっ、思い出した。
十年ほど前に、当店によくお越しいただいてた年配の女性のお客様。よくお葉書もいただきまして、映画関係の素敵なショットを印刷したポストカードに、時候の挨拶とともに昔のいろんな想い出が添えられており。
その一枚が『赤い砂漠』のオフショット、その石畳だったのです。その裏の文には、「梅雨の頃になると、50年前に観た重苦しいこの映画とモニカ・ヴィッティの厚い唇を思い出します」。
しかし、今作『情事』におけるモニカ・ヴィッティはどうだ。梅雨の頃の、低く垂れ込めた雨雲なんぞどこへやら、夏の輝きに満ちあふれ、恋に濡れる涙さえ、美しく輝くのである。
不毛の地を延々とさまよい、ようやく2人がふと触れ合う瞬間の恋の芽生え、船に添えられたカメラが揺れるように心も揺れ、疾駆する列車の如く魂は高鳴り、そして、絶望、、、
今特集のサブタイトル、「愛の不毛」。
いや、恋に落ちてみなければ、その不毛も理解できないのである。
