店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

4週連続、ケェシロフスキ『デカローグ』

四週連続のシアターイメージフォーラム、引き続きポーランドのキェシロフスキ監督の十連作集『デカローグ』(88) を鑑賞です。本日も二本、『ある運命に関する物語』と『ある選択に関する物語』。
今月の公開以来、特に気にせずに時間に合ったのを観てきたんですが(もちろんダブらないように)、今日のはシリーズの一作目と二作目でした。

映画に限らず、文学、音楽、絵画等々、芸術作品全般に言われることに、処女作にはその人の本質が最もアラワレルとか。
キェシロフスキにとって『デカローグ』は、もちろん初めての監督作ではありませんが、やはり連作集の一作目となる『ある運命に関する物語』の濃密さはハンパありません。

死とは何か? 神はいるのか? コンピューターがはじいた結果をあざ笑う運命のイタズラ、、、扱うテーマの深淵さ、ストーリーの妙、これが僅か一時間にギューッと詰め込まれ、完璧な一本に仕立てあげられているのです。
十連作のプロローグとしては、あまりにも完璧な、そして、仮にエピローグに置いても、あまりにも完璧なそんな一本。
はーあ。観賞後、タメ息のみ。