東京国際映画祭の関係で二年連続でご来店のニューヨークのおじさんの友達が、彼も映画関係の仕事やってるらしいけど、今年三月に当店にやってきて。
「日本映画でなんかオススメあるかな(以下、拙い英語力のため多分です)」
「鈴木清順の『殺しの烙印』は観た?まだ?これは観とかんといかんよ。もちろん、小津とか溝口は観てるよね?まあ、有名だからね。じゃ、山中貞雄は?」
「えっ、もう一回言って、、、山中貞夫?おー、%@&>%<$、、、」
「えっ、もう一回言って、、、えっ、マジかよ、『人情紙風船』観たの?山中貞雄の作品は三本だけ残ってて、僕はこれだけ観てないんだよ」
と、本日、ようやく念願の山中貞雄監督作品『人情紙風船』(37) を早稲田松竹で観賞です。
もうヒト波来て、『丹下左膳、百万両の壺』と同様、僕を笑顔にさせてくれるのか、と思いきや、『河内山宗俊』のごときラスト、しみじみ。
溝を流れ行く紙風船、、、
遠近にこだわったカットの連続。主人公二人をあえて長屋の奥に配置し、物理的にも物語的にも奥行きを与え。うまいなー。
英語字幕付きだったんで、あのおじさんはこれを観たんだロナー。
でもね、長屋の存在がどんなもんか、あと侍言葉と町人言葉の違いが、それまでは翻訳しきれないだろうから、そこまでは理解できなかったろうなー、でも、そこら辺が一番重要なんだけどなー。
と、二本立てのもう一本は成瀬巳喜男監督による『三十三間堂通し矢物語』(45) です。
長谷川一夫、田中絹代の、なんとなく“濃すぎる“やりとりに、少し引いてしまいつつも、成瀬監督の細部にわたる演出、装飾についつい観入ってしまい。
これも英語字幕。