店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』

引き続き新宿K’sシネマで開催されています特集「奇想天外映画祭2021」にまたまたまたまた出掛けまして、本日は昨日に引き続きルイス・ブニュエル監督作、今度はメキシコ時代の『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』(55) を観賞です。

子供の頃に手にしたオルゴールに纏わる物語。自分は望めば女性を殺すことが出来るんだという衝撃。大人になって偶然、そのオルゴールと“再開“。そのときの衝撃、衝動が よみがえり。

しかし、殺人の手を下そうとする度に失敗。でも、女性は偶然なのか、時を経ずして、別のことで死んでしまう。自分は犯罪者であるはずなのに、いや、どうみても犯罪者ですよね? 判事さん?
と、これまでの「犯罪的人生」を振り返る物語。この告白を聞いた判事は、一笑にふすのだが、、、
なかなか面白い作品でした。ブニュエルのメキシコ時代はやはり見応えがありますね。

どうでも、いいことですか、酒場のシーンで、複数のショットグラスに炎が揺らめき、その火のついた酒の中に黒い粒がいくつか入ってて。
これ、サンブーカ・コンモスカですかね? サンブーカって薬草リキュールの有名な飲み方(カクテル)で、ショットグラスにサンブーカ注いでコーヒー豆三粒ほど浮かべて火をつける。
しばらくしたら、コースターかなんかで蓋をして火を消し、すぐは熱いんで、ちょっと冷めてから飲む。コーヒーのいい香りがプーンと。

コンモスカ(Con mosca)、スペイン語で「蝿入り」ってこと。コーヒー豆を蝿に見立てたんでしょうね。
映画はメキシコが舞台ですから、サンブーカではなく、テキーラ(メスカル)かもしれませぬ。ブニュエルに聞いてみないと。あっ、亡くなってるよね。