店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ブニュエル特集『欲望のあいまいな対象』

マンボー、マンボー、暇ンボー。
あーあ、暇だねー。

夜も早く終わっちまうから、早い時間に店行っちまうんだけど、納品は何もないし、スタンバイも早く終わっちまって、開店まで何するかな? 本読むのは営業時間中の暇潰しにしたいし、、、

あっ、そうだ、映画行こー。こういうとき、近くに映画館あると便利ですね。

と、先週末から角川シネマ有楽町で開催されています、フランス時代の後期、ルイス・ブニュエル監督特集。六作品のデジタルリマスター版が上映されていますが、本日は遺作となった『欲望のあいまいな対象』(77) を観賞です。

旅は道連れ、なんて申しますが、とある紳士が列車の一等客室で、合室になった面々に、発車寸前にバケツの水を追いすがる女性にぶっかけた、そのナガイナガイ理由を“披露“いたします。

モーパッサンの短編でもありますね。乗合馬車で一緒になった面々に、自らの悲恋をポツリポツリと。そして、車中一同は涙にくれ、、、と、そこはさすがブニュエル、もうね、笑えますね。クスクスっとね。これぞ、彼流のエンターテイメントマジックですね。やっぱ、最高だね。あー、面白かった。

そういえば、昔、今特集にもある『昼顔』を観たとき(『哀しみのトリスターナ』も観賞済だった)、同じくモーパッサンの中編『テリエ館』を思い出して。
娼館の話なんですが、フランスが世界に誇るリキュール、シャルトリューズ酒が酌み交わされるんです。

と、今日の映画にも登場しましたよ。
紳士と、後にバケツで水をぶっかけられる運命の女性が出会う件。
紳士が自分の部屋に、女性を招くために下準備をするところ。
グラスを二つ用意して、肝心の酒を執事に言いつけます。

「シャルトリューズをくれ」
「ジョーヌ(黄色い方。40°)でよろしいですか?」
「いや、ヴェール(緑色の方。55°)にしてくれ。強力だから」
「催淫効果もありますからな」

あーあ、男どものバカさ加減よ、、、ゴメン。