店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

引き続きジョン・フォード特集

引き続きシネマヴェーラ渋谷で開催されていますジョン・フォード特集に出掛けまして、本日は『俺は善人だ』(35) と『静かなる男』(52) の二本を観賞です。本日も西部劇ではありませぬ。ゴメンナサイ。

『俺は善人だ』

前回観賞の『戦争と母性』(33) で、このフォード作品の、あまりにもオールドファッションなことに言及したのですが。あくまでも良い意味でね。
今作の主演、数々の悪役を演じてきたエドワード・G・ロビンソンの、これまたオールドファッションな、典型的なギャングの親方ぶりよ。唇をニッと歪めたね。あー、安心するわ、親方。
善良な、いちサラリーマンとの二役を見事に演じ、イヤー、ビリー・ワイルダー作品のような(フォードの方が大先輩ではあるが)、スカッと楽しめる一本でした。

『静かなる男』

やはり名作です。以前、どっかで観てて、当時はなんてことないような感じだったんですが、歳を重ねたからでしょうか、ほんと心に染みました。
モーリン・オハラ、改めて綺麗だなー。秋のフォード特集第二弾で上映予定の『わが谷は緑なりき』(41) でも、その美しさに引き込まれたものですが(映画自体も素晴らしかった)、この白黒から一転、今作品のカラーでの彼女の燃えるような赤毛が緑に映え、その一層熟した凛とした美しさには、ジョン・ウェインだけでなく、ヒッチコックも僕も惚れるしかないね。
そして、酒場の楽しさよ。もうね、古今東西、これだけは変わることのない真理じゃなかろうか。
では、僕も、ポーター片手に、この映画に乾杯!