店主は気まま、客は我がまま。そんな気楽な銀座のBAR。でも、それでいいんじゃないの?

ロバート・アルトマン『雨にぬれた舗道』

またまた角川シネマ有楽町で開催されています、ロバート・アルトマン傑作選三作品の上映に出掛けまして、本日は『雨にぬれた舗道』(69、米国、カナダ) を観賞です。

映画をめぐる色々におきまして、安易なベッドシーンとポップコーンの撲滅運動を展開している僕ですが。

分かりますかね、ある意味上流階級に位置する、孤独なこの女主人公のエロスの象徴の連続を。
何気ないネクタイであったり、或いは玉転がし、単なるワインの開栓なんかね。

本人には関係のない、他者の裸の絡みや、婦人科でのエロ会話など直接的な性表現も、彼女の隠れた願望とも云え。

それがたんたんとたんたんと、密閉した空間のなかでつもりに積もって。
果たして、それは決壊、開放されるのですが、、、

素晴らしいですな、このエロスの表現。安易なベッドシーンなきね。
そして、ジワジワジワジワと。
もうね、“被害者“のこの男の子以上に、僕の方が戦慄、グッタリ。
映像も素晴らしく、満足極まりなし。

と、本日でアルトマン三作品全て観賞。
どれも本と良かったなー。

彼の作品は、劇場忘れましたが、これまで『M★A★S★H』(70) しか観てなくて。あのドタバタ劇とは全く異なるクールな美しさに酔わせていただきました。

そう、酔うと云えば、『M★A★S★H』はカクテル・マティーニが効果的に使われてましたね(詳しくは当店ホームページのコラムから、マティーニの項をご覧ください)。

今回上映の『イメージズ』ではベルモットを執拗に探すシーンがある一方、『ロング・グッドバイ』ではギムレットのギの字も出てきませんでしたので、アルトマンは多分、根っからのマティーニ党ではなかったのか、まあ、どうでもいい話ですね。